プロジェクト趣旨

 

  スクールリーダーの学び場 SLP+

 
スクールリーダープロジェクトは
スクールリーダーの学び場を創るために、
フォーラム、大学院、研究会の活動を持続する。
各年度で報告書、冊子、研究紀要を刊行する。
 
・スクールリーダーフォーラム 1回-17回 
・スクールリーダーが学ぶ大学院 2002-2018
・スクールリーダー研究会 2009-2020


代表作:
 
 
school leaders project (SLP)
https://schoolleadersproject.p-kit.com/
Professional Learning Community for Teachars (PLC)
スクールリーダープロジェクト school leaders project (SLP)

 スクールリーダーの「学び場」を創ることを理念に掲げて、A.スクールリーダーフォーラム、B.夜間大学院 教職大学院、C.スクールリーダー研究会、D.出版活動を行う。2001年度~2020年度に事業を実施する。
 「学び場」を創る基軸に、①出会う・交わる・協働する②目標共有・実践交流・省察と創発③理論知と実践知の対話をすえて持続的に取り組む。
 大阪教育大学を拠点に、大阪府教育委員会・大阪市教育委員会とのコラボレーション、福井大学教職大学院、鳴門教育大学教職大学院との連携協力で取り組む。
 出版刊行物として『スクールリーダーフォーラム報告書・冊子』『学校教育論集』『スクールリーダー研究』(以上、各年度版)、関連書籍として『ひらく 教師の学習コミュニティ―学習するスクールリーダー』『つくる 教師の学習コミュニティ―大学・学校・教育委員会のコラボレーション』『若手教師を育てるマネジメント』(ぎょうせい)がある。
 この事業は日本教育経営学会「実践研究賞」(2回)を受賞した。受賞題目は「スクールリーダーフォーラム事業の持続的実践」(2012)「夜間大学院のスクールリーダー教育の実践」(2017)である。

https://schoolleadersproject.p-kit.com/
school leaders project (SLP)
Professional Learning Community for Teachers (PLC)
スクールリーダープロジェクト school leaders project (SLP)
スクールリーダーフォーラム 大阪教育大学夜間大学院 
大阪教育大学連合教職大学院 スクールリーダー研究会 
大阪府教育委員会 大阪市教育委員会 福井大学教職大学院 鳴門教育大学教職大学院
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スクールリーダー研究 第13号 (2020年8月)
巻頭言Ⅰ 

スクールリーダーの実践研究を育む
―スクールリーダー研究会の基盤―

 スクールリーダー研究会は、大阪教育大学の夜間大学院スクールリーダー・コース(その前身を含む)と連合教職大学院学校マネジメントコースの修了生およびその関係者30名強からなる小さな研究会です。会員は、校長・教頭、指導主事、ミドルリーダーなどスクールリーダーとその経験者、大学教員です。大阪教育大学大学院でスクールリーダー教育を学び、修士論文または実践研究論文を完成させたこと、関西地区を拠点に実践研究を継続して取り組んでいることが共通点です。
 スクールリーダー研究会は「プロフェッショナルなスクールリーダーを志す人々が集い、交流し、高め合う『学びの場』を創り出そうとする学習組織」です(本紀要第1号、巻頭言)。換言すれば、スクールリーダーが学校づくりを省察・探究・研究し、報告発表する場が必要不可欠との認識によるものでした。研究会の発足が2008年9月ですから今年で12年の歴史を刻んできました。ここで、この研究会の成立基盤と経緯を簡潔に確認しておきたいと思います。
 
 大阪教育大学のスクールリーダー教育は、2001年度を起点にスタートしました。スクールリーダー・フォーラムを大阪教育大学と大阪府教育委員会(大阪市教育員会は2009年度から参画)の連携協力事業として立ち上げた年度です。このフォーラムの目的は大学・学校・教育委員会が連携協力して、学校づくりを支援し、スクールリーダーを育成することを理念に掲げて、学校づくりの実践を研究協議する場を創り出すことです。毎年度、学校づくり実践(最大で32)が報告され、学校実践者、教育行政職員、学校研究者100名弱がグループに分かれて、語り―聴き、省察することを軸に構成されています。2017年度までに17回のフォーラムを開催し、『スクールリーダー・フォーラム報告書:特集名』17冊と『スクールリーダー・フォーラム冊子』7冊を刊行配布してきました。
 
 他方、夜間大学院のスクールリーダー教育は、大脇が2002年度に天王寺キャンパスの実践学校教育講座に移籍することが起点となります。2004年度以降、大学院授業「学校マネジメント学」、「スクールリーダー実践論」、「大阪の学校づくり」を新設し、実験的な取り組みを重ねていきます。特に、特別集中講義「大阪の学校づくり」は隔週土曜午後5時間のロングラン授業とし、講義とワーク・発表を連動させた授業開発に挑戦しました。大学教員複数が大阪府・大阪市教育委員会幹部と連携協力して、学校評価、授業評価、教職員評価、学校づくり(大阪府、大阪市)を題材に、事例分析、ケースメソッド、ロールプレイ、グループワークなど多様な学習方法・形態を組み合わせて実施しました。この授業は、院生主体の参加型で、回を重ねるごと学習集団が深まるので、学習者も講師陣も確かな手応えを掴むことができました。この授業開発は、2007年度のスクールリーダー・コースなど三コース制創設の基盤となります。
 こうした流れと響き合う形で、夜間大学院に校長が受験して入学し、続いて教頭、指導主事が入学してきます。2005年度に校長2名、教務主任1名が入学し、引き続いて少数ながら現職の校長・教頭が入学し、2011年度には教頭3名、指導主事1名が入学しました。コース責任者として大脇は、スクールリーダー教育のパフォーマンス・成果物を提示し、その理論的基盤・認識論を探究する日々でした。そして、課題として学校づくりの「実践研究」を提示し、その認識論として「理論知・実践知対話論」を構築して、現職教員院生に登るべき山脈と道筋の「羅針盤」を示してきました。これは、これまでの研究者による学術研究、実践者による実践記録・報告に対して、第三の道として研究的実践者による「実践研究」を構想し具体化するものでした。
 スクールリーダー教育の実践を重ねその理論化を図り、現職教員院生が実践研究に挑戦し論文に集約してきました。その代表的成果は『学校教育論集』(2005~2018)として編集されています。現職教員院生が提出した修士論文、実践研究論文を再編集して掲載しています。形式は、A4判で50頁(1頁40字×40行)を基本としています。大脇も巻頭論文10頁を執筆することを課してきました。
 
 大阪のスクールリーダー教育は、スクールリーダー・フォーラム事業と夜間大学院のスクールリーダー教育が車の両輪となって構築されてきましたが、スクールリーダーの「学びの場」という理念は通底している一方で、その目的・内容・方法・形態は異なる独自な取り組みでした。両者は、前半の10年間は2本立ての取り組みでしたが、後半になると企画・運営で関連づけを意識するようになり、運営スタッフに大学院生や修了者が参画し貢献するようになりました。『スクールリーダー・フォーラム報告書』の編集、ラウンドテーブルの報告者・参加者、連携大学院院生交流会などで重要な役割を担ってくれました。こうして、夜間大学院とフォーラムが関係づけられ、内容・方法・形態でも相互に影響し、相乗効果を上げることになりました。

 さて、こうした流れの中でスクールリーダー研究会を立ち上げました。それは、スクールリーダーが夜間大学院修了後、「実践研究」を継続し、研究発表する場を創り出すためでした。現職教員は大きな決断をして夜間大学院に入学し、「昼働き、夜学ぶ」学習スタイルを2年間重ねて、修士論文を仕上げます。それを再スタートとして「実践研究」の山脈をめざして相互研鑽する場で、次の高みをめざしたのです。
 本研究会は、毎年度、春と夏の研究大会の開催(24回、内2回は中止)と研究紀要『スクールリーダー研究』(13冊)の刊行が二本柱となって運営してきました。研究紀要では「査読論文」を基本に据えました。このために第一線の学校経営研究者に特別会員としてご参画いただき、この大胆な取り組みを一歩一歩進めてきました。毎年度の研究紀要『スクールリーダー研究』は研究会の顔として全国発信してきました。さらに、プロジェクト「教師のライフコースの実践研究―教育実践の山脈を描く―」に取り組み、新たな実践研究を切り拓いてきました。また、研究会メンバーが中心となって教育雑誌『教育PRO』で「連載:行動するスクールリーダー」(全126回)を担当してきました。その他、個人として日本教育経営学会、日本教師教育学会、日本高校教育学会などで研究発表し、研究紀要に査読論文が掲載されました。その意味で、研究会はスクールリーダーの実践研究を育む「培養器」となったといえます。
 
 スクールリーダー研究会はこれで第4期12年を終えます。この第13号は研究会の到達点であり、締めの号となります。研究会会員の地道な活動と理事・編集委員の尽力に支えられて研究会は持続し発展してきました。ここに会員、関係者のみなさまに深く感謝し、筆を擱くこととします。

2020(令和2)年6月1日
スクールリーダー研究会会長 大脇 康弘
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  受賞歴


受賞歴
2012年日本教育経営学会 実践研究「スクールリーダーフォーラム事業の持続的実践」
2017年日本教育経営学会 実践研究賞「夜間大学院のスクールリーダー教育の実践」
  
  
  
  
 
 
 
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■ スクールリーダー・プロジェクト(SLP)研究報告書一覧 ■
 
 <納本先>『スクールリーダー研究』『スクールリーダーフォーラム報告書』『学校教育論集』『大阪の学校づくり』
東京:国立国会図書館国立教育政策研究所東京大学教育学部図書室
大阪:国立国会図書館 関西館大阪府立中央図書館大阪教育大学図書館 柏原C・天王寺C
その他
 
A. スクールリーダー・フォーラム報告書(SLF)
スクールリーダー・フォーラム事務局編、大阪教育大学・大阪府教育委員会・
大阪市教育委員会合同プロジェクト(大阪市は 2009 年から参加)

・第1回『学校教育自己診断を実践する―学校を開く試み』2003.3、105p.
・第2回『学校を開く、学校を診断する―学校協議会と学校教育自己診断を連関させて』2003.11、140p.
・第3回『スクールリーダー養成の必要性と可能性―専門職大学院づくりを軸に』2004.3、160p.
・第4回『授業評価の理論・政策・実践―授業改革のために』2005.2、132p.
・第5回『リーダー層教員の力量形成―量的確保と質的向上』2005.11、100p.
・第6回『スクールリーダーの学習拠点づくり―大学と教育委員会のコラボレーション』2007.2、160p.
・第7回『学校課題への挑戦―経営革新プロジェクトの取り組み』2008.3、118p.
・第8回『学校の自己革新と支援体制―学校革新プロジェクト 2008』2009.2、96p.
・第9回『豊かな学校評価を求めて―自己評価と学校関係者評価』2009.11、108p.
・第 10 回『スクールリーダーの実践力育成―ケースメソッド学習入門』2011.3、130p.
・第 11 回『次世代スクールリーダーの育成』2011.11、108p.
・第 12 回『スクールリーダーの学びの場―理論知と実践知の対話』2012.11、126p.
・第 13 回『学校づくり実践を物語る―大学・学校・教育委員会のコラボレーション』2013.11、149p.
・第 14 回『ミドルリーダーの実践と育成支援―大学・学校・教育委員会のコラボレーション』2014.11、145p.
・第 15 回『授業研究を組織する―大学・学校・教育委員会のコラボレーション』2015.11、144p.
第 16 回『学校のコラボレーション―大学・学校・教育委員会の協働』2016.11、140p.
第 17 回『学校づくりとミドルリーダー~ 協働・連携・内発・育成』2017.11、134p.

B.学校評価実証校支援プロジェクト(SRP)
大阪府教育委員会・大阪教育大学合同プロジェクト
・『学校評価実証校支援事業報告会資料 2004』2005.3.
・(参考)大阪府教育委員会・学校運営改善のための学校評価システムの確立に関する調査研究協力者会議 報告書『学校教育自己診断と学校協議会』2005.3.
・『学校評価実証校支援事業報告会資料 2005』2006.2.
『学校教育自己診断ハンドブック―活用の手引き―』(平成 17 年度大阪府教育委員会委託事業「学校評価実証校支援プロジェクト」)大阪教育大学、2006.3.

C . 大学・教育委員会連携授業『大阪の学校づくり』
大阪教育大学スクールリーダー・プロジェクト編集・発行
・『大阪の学校づくり 2005―夜間大学院の授業実践』2006.3、102p.『2006』92p. 『2007』90p. 『2008』83p.『2009』72p. 『2010』68p. 『2011/2012』77p. 『2013』47p. 『2014』64p. 『2015』64p.

D.スクールリーダー・セミナー(SLS)*
・ スクールリーダー・セミナー 2004 事務局編、大阪教育大学スクールリーダー・プロジェクト
 『学校づくりの思想と技術―学校評価を軸に』2004.8、134p.
 『学習するスクールリーダー ―学校の組織づくりを軸に』2005.3、129p.
・ スクールリーダーシップ講座(大阪)『学校づくりの理念と技術』広域大学間教員養成・研修コンソーシアム:筑波大学・大阪教育大学・千葉大学・東京学芸大学、2006年5月~8月*
・ スクールリーダー・セミナー 2010 同 2011
・ プレ・フォーラム:SLF12 2012.8. SLF13 2013.8. SLF14 2014.8. SLF15 2015.8.

E.『スクールリーダー研究―教師の学習コミュニティ』*
スクールリーダー研究会、第 1 号~第 8 号、2010 ~ 2016.

F. 単行本・雑誌連載など*
・『学校評価を共に創る―学校・教委・大学のコラボレーション』学事出版(編著)、2003
・連載:スクールリーダー教育の構築―学習機会とプログラム、『教職研修』教育開発研究所、2006年度
・連載:スクールリーダー教育の実践―カリキュラム開発と授業づくり、『教職研修』教育開発研究所、2007年度
・連載:スクールリーダー養成の教職大学院、『教職研修』教育開発研究所、2008~2009年度
・連載:大学と教育委員会のパートナーシップ、『教職研修』教育開発研究所、2009~2010年度
・連載:行動派校長の学校マネジメント、『月刊高校教育』学事出版、2007年度
・連載:学校革新への道―普通高校の組織マネジメント、『月刊高校教育』学事出版、2008年度
・連載:ケースメソッド研究事始め―新たなスクールリーダー育成法、『月刊高校教育』学事出版、2011年度
・連載:新時代のスクールリーダー、『月刊高校教育』学事出版、2012年度
・連載:学習するスクールリーダー、『月刊高校教育』学事出版、2013年度
・連載:特色ある学校をつくる、『月刊高校教育』学事出版、2014年度
・連載:ミドルが元気な学校づくり、『月刊高校教育』学事出版、2016年度
・連載:校長力を高める、『悠 haruka』ぎょうせい、2006年度
・連載:教育改革最前線:政策動向と実践課題、『悠+』ぎょうせい、2007~ 2008年度
・連載:ミドルリーダーが創る新たな学校づくり、『新教育課程ライブラリ』ぎょうせい、2016.1~2016.12
・連載:行動するスクールリーダー、『教育 PRO』ERP、2014.8~2020.3
・教師のための学習コミュニティ―夜間大学院で学ぶ、2007.1、24p.
・教師の学習コミュニティ―進化する夜間大学院、2008.3、20p.
・ スクールリーダー・プロジェクトの展開―大学と教育委員会のパートナーシップ、SLP、2009.3、24p.
・ 教師の学習コミュニティを創る―夜間大学院のスクールリーダー教育、SLC、2010.3、24p.
・スクールリーダー・フォーラムの展開―大学・学校・教育委員会のコラボレーション、SLF、2010.10、8p.
・教師の学習コミュニティの展開―学習するスクールリーダー、SLC、2011.3、16p.
・スクールリーダー・フォーラムの挑戦―大学・学校・教育委員会のコラボレーション、SLF、2011.10、16p.
・ ひらく 教師の学習コミュニティ―夜間大学院のスクールリーダー教育、SLC、2012.3、24p.
・ケースメソッド入門―スクールリーダーの協同学習、SLP、2102.3.
・スクールリーダーの学習コミュニティ―大学・学校・教育委員会のコラボレーション、SLF、2012.10、24p.  
・スクールリーダーの学校づくり―理論知と実践知の対話、SLF、2013.10、32p.
・ つなぐ 教師の学習コミュニティ―夜間大学院のスクールリーダー教育、SLC、2014.3、28p.
・ つくる 教師の学習コミュニティ―大学・学校・教育委員会のコラボレーション、SLF、2014.10、28p.
・ 学校づくりを実践する― 第1回スクールリーダー実践研究賞、SLP、2015.3、28p.
・ つむぐ 教師の学習コミュニティ―大学・学校・教育委員会のコラボレーション、SLF、2015.10、24p.
・ つくる 教師の学習コミュニティ―大学・学校・教育委員会のコラボレーション(SLF 総合版)、SLF、2016.3、120p.
・ むすぶ 教師の学習コミュニティ―大学・学校・教育委員会のコラボレーション、SLF、2016.10、24p.

G.スクールリーダー・プロジェクト外部評価委員会報告書
・スクールリーダー・プロジェクト外部評価委員会『スクールリーダー育成支援―外部評価―』2014.3、50p.(代表 水本徳明)
 (*は関係報告書)
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 スクールリーダープロジェクトは教師の「学び場」を創る多角的な営みです。
 このプロジェクトの取組みを記録し省察したミニ図書館です。